1月27日開催の2014年度兵庫県社保協自治体キャラバンの尼崎市担当者との意見交換会の要旨です

1、社会保障制度改革推進法について
(要望内容)
社会保障制度改革推進法、および社会保障制度改革推進プログラム法は、社会保障の基本は「自助」「自立」であり、「家族相互及び国民相互の助け合いの仕組みを通じてその実現を支援」すると明記している。これは、「社会保障は国が責任を持つ」という憲法第25条に違反した社会保障変質・解体法であることから、国に廃止を求めること。
(市の回答)
 日本国憲法25条の本旨を鑑み、緊急に社会保障制度を整備確立するため、昭和25年に出された「社会保障制度に関する勧告」(昭和25年10月16日)では、「社会保障制度」とは、困窮の原因に対し、保険又は直接公の負担において経済保障を図り、生活困窮に陥ったものに対しては、国家扶助によって最低限度の生活を保障するものとされています。その一方で、国家が責任をとる以上は、国民もまた社会連帯の精神に立って、それぞれの能力に応じてこの制度の維持と運用に必要な社会的義務を果たさなければならないとされております。こうしたことから、社会保障制度改革推進法に規定されている「社会保障の基本は『自助』『自立』であり、家族相互及び国民相互の助け合いの仕組みを通じてその実現を支援する」との内容は、憲法25条の趣旨に反するものではないと考えております。
 また、現在の社会保障制度は、少子高齢化に伴う人口構成の大きな変化や雇用基盤、家族形態の変容などに直面し、機能の強化と制度の持続可能性を確保するための改革が求められているという状況を踏まえ、国会における議論を経て報告書は作成されております。こうした時代の変化に対応し、社会保障制度の持続可能性を高め、その機能がさらに高度に発揮されるようにするためには、必要な考え方であると認識しており、その具体化に反対することは考えておりません。
 今後とも、これらの考え方を踏まえた、安定した社会保障制度の運営に努めてまいりたいと考えております。
ー意見交換―
(社保協)社会保障制度改革推進法の中身が憲法25条に違反しないし、具体化に反対しないとのことだが、根本的な社会保障の考え方がおかしいのではないか。税の再分配によって社会的弱者に援助するのが大原則ではないか。
(市)憲法の解釈を深く理解していないが、国が言っている以上国民も自立自助を考えなければ将来に禍根を残す。憲法違反というのはいかがか。
(社保協:助け合いと社会保障は違う。市民に任せると言う考えでは困るのでは。国保料が高すぎる問題で、生活保護基準以下になる方がでると、市議会質問をした時に当時の局長は「プログラム規定だ」と言った。しかし、25条は国がシステムをつくりなさいと言っている。生活が苦しくなる中で自立自助を求めるのはどうか。
(市)国には逆らえないが、考えなければならないとは思う。
(社保協)限られた中で工夫をしてほしい。


2、国民健康保険について
(要望内容)
⑪国保の都道府県単位化に反対し、引き続き市町が住民の身近な保険者として運営すること。国庫負担増などを国に強く要望すること。
(市の回答)
 平成25年12月5日に成立した社会保障制度改革に関するプログラム法案では、国保の財政上の構造的な問題を解決した上で、平成26年度から平成29年度までを目途に、国保の運営は、都道府県が担うことなどの国保制度改革が進められています。
 その背景には、国民皆保険制度維持のため、国保の財政基盤の安定化が優先課題となっており、国保の都道府県単位の広域化は、避けて通れないものと考えておりますが、国保財政基盤の安定化や保険料に係る国民負担に関する公平の確保など議論すべき事項も多いと考えております。
 また、国保の運営については、国と地方とで十分協議することとされており、特に、国と地方とで協議する国保基盤強化協議会において、8月8日に国保改革に関する「中間整理」が了承されており、今後とも国の動向を注視してまいります。
 なお、現行国保制度の国庫負担金及び国保法に負担割合が明示されている県補助金についても、全国市長会及び近畿都市国民健康保険者協議会を通じ、国に対し負担割合の引き上げを要望しているところです。
―意見交換―
(市)郡部の国保・保険者が立ちゆかない状況もあり、皆保険を維持でするためにすすめられる。保険料は平準化になるのかどうかわからない。今は全国的に一般会計からで3500億円の繰り入れをしており、尼崎では6億円の繰り入れ。
(社保協)保険料は分賦金を県に納める方向になると思うが、今と変わらないのでは?一般会計からの繰り入れだけが出来なくなると、保険料に跳ね上がる。滞納になった場合、市が補填するのか?不足分を一般会計から繰り入れになり悪循環になるのでは?
(市)消費税の財源で一部補填と、後期高齢者医療からの国費が2200億円浮くので、その内1500億円ほどを国保にあてるということで、赤字分は国が補填する。これが入ってくれば一定安定化する。分賦金は所得水準を加味して県が決定する。収納率が悪い場合、財政安定化基金を県がつくり、貸し付けなども考えている模様。
(社保協)所得の低い人は、健康に対する注意が乏しくなる。負担能力が低いのに医療費がかかる。どう対策をとっていくのか。努力しようにもできない人たちに向けた予防も必要だが、広域化に対してどういう制度にしてほしいとか要望しているか。
(市)全国市長会や近畿都市国民健康保険者協議会を通じ、阪神ブロックとしても各市の状況をふまえ要望している。
(市)財源措置の確保については3項目を国に要望している。①は地方の意見要望を協議してほしい、②国と県負担の引き上げ。国保自体が高齢者が多いこともあるので財政基盤の拡充③医療費の適正化
(市)保険料については、都道府県によっては均一になるところもある。後期高齢者のように郡部と都市部で違うので一足飛びに均一化とはならない。
(社保協)市民の負担が上がらないように、市民の声が出せるところを広域化に申し入れてほしい。現状で不都合がおこってないのに、広域化にする理屈がわからない。


3、後期高齢者医療制度について
(要望内容)
④後期高齢者医療制度に加入しなかった70歳~74歳までの方で、福祉医療を利用した場合の償還払いをやめ、現物給付にすること。
(市の回答)
 前期高齢者の方が県内受診において現物給付できないことについては、これまでも県に現物給付できるよう要望を重ねて参りましたが、診療報酬支払いにおけるシステム上の問題や高額療養費が発生した場合の医療保険と福祉医療の給付調整の問題等があり、現在も実現できていない状況でございます。しかしながら、今後も国の医療制度の動向も見る中で、引き続き、県に対して要望し、協議を重ねて参りたいと考えております。
―意見交換―
(市)レセプトには健康保険と公費など2つしか入らない。システムの変更をすすめていたが基金への委託費が国保の3倍と高く難しい。他都市も昨年は無理だったようだ。


4、介護保険施策について
(要望内容)
③直近の要支援者の訪問介護・通所介護利用者数及び実態を明らかにし、これらの利用者のサービスを第6期以降においても継続すること。要支援者の訪問介護・通所介護については、希望するすべての現行のサービスを提供できるようにすること。「多様な主体による多様なサービス」について確保の見通しについて明らかにすること。「新しい総合事業」を実施する自治体の体制(担当課、担当職員数等)を明らかにすること。
(市の回答)
 現在、現状の高齢化率や要介護・要支援認定者数、サービス利用状況と合わせて、今後のこれら数字の伸びなどを見据えながら、第6期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定作業を行っております。その中で、今回の制度改正においては、要支援者に対する影響が大きいことから、高齢者利用意向調査のほか、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所へのアンケート調査を行い、要支援者の生活状況やサービス利用状況等の把握に努めたところでございます。
 なお、新総合事業の実施につきましては、29年4月実施に向けて、事業者や関係者の意見等も聴きながらその枠組みを固めてまいりたいと考えておりますので、その中で多様な主体による生活支援サービスの整備や市の体制整備につきましても検討を行い、必要なサービスが適切に提供される体制の確保に努めて参ります。
―意見交換―
(市)地域包括支援センターの体制の充実が必要で、尼崎は国基準より低かったが12月議会で21名の増員できる体制になった。今後社協の役割が益々大きくなっている。尼崎は自治会ベースに社協があるがメリットを生かしデメリットを補う必要がある。地域福祉専門員もやってもらっているが、要支援への対応をどうするか
(社保協)資格のある人がやってきたことを無資格者がやるようになっている。ヘルパーは専門的支援。要支援サービスを介護でやるのか切り分けるのか。
(市)29年4月からの運用に向け、資格や基準、要件を単価どうするのか、地域のボランティア活動(ふれあい喫茶とか)をどう生かしていけるのか検討している。ボランティアは補助的なイメージ。要支援サービスは国は事業所ベースで考えているようだ。
(社保協)利用者にも対話によるアンケートを実施してほしい。
(市)ケアマネには実施している。


(要望内容)
⑭生活保護受給者の個室の居住費に係る利用者負担は、介護扶助の給付とするなどし、ユニット型特養等の生活保護者の入所がスムーズに出来るようにすること。
(市の回答)
 平成17年10月の介護保険制度の改正に伴い、特別養護老人ホームのユニット型個室等について居住費が発生する場合には、原則として生活保護受給者の利用は認めないとされていましたが、平成23年度には、生活保護受給者も「社会福祉法人等による生計困難者に対する介護保険サービスにかかる利用者負担軽減制度事業」の対象となったことから、生活保護受給者においても個室の利用が可能となっています。
―意見交換―
(社保協)市内での利用状況は? 「社会福祉法人等による生計困難者に対する介護保険サービスにかかる利用者負担軽減制度事業」を適応している法人でなければならないのでは?24時間謳っていても実際はできない。介護扶助だけでなく何らかの手当をしてほしい。
(市)市内で3名、市外で1名。生活保護者だから断られたと聞いていない。ユニット型でなく、多床型でよいのかと言われるが、今後ユニットが増えていったら、生活保護者は入所できるのか。
(社保協)「軽減制度事業」に尼崎の事業者はどれくらい申請しているか。生活保護を入れれば、法人の持ち出しということではないか。
(市)国に軽減事業をすすめてくれたら、出来るというのが我々の考え。
(市)社会福祉法人は税制で有利な面を受けているのだから、社会的役割の中で法人が負担すべきというもの。申請すれば、一部(本人自己負担の)を助成するというもの。
(社保協)生活保護の中で居住費を増やすことにはならないのか。
(市)生活保護基準は国が決めるもので、技術的な面に対して高い低いとは言いづらい。


5、生活保護について
(要望内容)
③生活保護基準引き下げ要保護世帯にとっては「死活」問題であり、2013年7月の水準に戻すように国に要望すること。
(市の回答)
 生活保護制度は、国が生活に困窮する全ての国民に対して、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するものであるため、生活保護基準については国政レベルで議論される問題であると考えておりますので、国に意見を提出する考えはありません。
―意見交換―
(社保協)生活保護の受給申請で窓口に行ったのに、医療生協の無料低額診療の案内をもって病院に来られた患者がいる。その方は無保険者だった。無料低額診療は国保に加入していることが利用の条件になっているが、窓口の担当者はわかっているのか?どんな教育をしているのか?
(社保協)生活困窮者自立支援法が4月から施行されるが、内容をよく理解してほしい。
(社保協)仕事が縦割りになっている。国保課、保護課両方で連携し勉強をすること。
(市)再度周知させる。対応した窓口についても調べる。


6、子育て支援・一人親家庭支援・子どもの貧困解決に向けて
(要望内容)
①子どもの医療費助成制度を外来・入院とも中学卒業まで、現物給付で所得制限なし、一部負担金は無料とすること。母子家庭医療費助成制度の所得制限を元に戻し、一部負担金は無料にすること。
(市の回答)
 子どもに対する医療費助成は、子育て支援の一つとして、全国的に多くの自治体で実施されておりますが、現時点では、国の制度化がなされていないため、県との共同、または、市単独での実施となり、各自治体の負担は非常に大きく、結果として各自治体において違いが生じている状況となっております。
 そのような状況下で、本市におきましては、安心して子どもを産み育てる環境づくりの一助となるよう、平成24年7月から、中学3年生までの入院無料化及び就学前児の通院無料化を実施しております。また、昨年7月から兵庫県にあわせて通院の助成対象者を「小学6年生まで」から「中学3年生まで」に拡充しております。
 しかしながら、所得制限の撤廃及び中学卒業までの通院無料化につきましては、その事業実施にあたり更なる財源の確保が必要であることから、本市の厳しい財政状況を考えあわせる中で、今後とも引き続き子どもに係る医療費助成拡充について、県の動向を注視し検討を重ねて参りたいと考えております。
 また、母子家庭等に対する医療費助成は、他の医療費助成と同様、兵庫県との共同事業であるため、所得制限について県が見直しを実施したことから本市も同様の見直しを行い、今年度予算におきましては、約2億円の事業費を計上し実施している現状で、市単独で見直し前の制度を維持することになりますと、さらに約1億円の財源確保が必要となります。本市の厳しい財政状況を考えますと、見直し前の所得制限に戻すこと、また、一部負担金の無料化は実施が困難でございます。
―意見交換―
(社保協)同じ県内で住むところによって差が生まれる福祉医療制度であってはならない。宝塚市のようにできなかったのか。
(社保協)投資と思って県にも申し入れしてほしい。


(要望内容)
②学校給食を、ただちに実施すること。
(市の回答)
 今年度、学習環境の整備、特に多額の財源が必要となる学校の空調整備と中学校給食の実施について、保護者、学校関係者、市民、中学生とワークショップ型の意見交換を実施した結果を踏まえ、まずは全ての空調未設置校への整備に向けた準備や整備工事を行ってまいります。中学校給食については、空調整備の実施後、速やかに着手できるよう、意見交換の場で出たさまざまな課題整理や他の自治体への事前調査を実施するとともに、会議体を立ち上げ、実施手法や学校運営上の課題などの検討を進めてまいります。
―意見交換―
(社保協)エアコンの設置も中学校給食も両方とも必要なことなので、まずは検討委員会を立ち上げてほしい。
(市)有識者を集めた検討委員会立ち上げに着手していく予定で、来年度予算に要望している。エアコンは耐震化とともに要望も多いので先にすすめていく。
(社保協)わかっているが、子どもは日々育っている。この10年間に10万人の人口が流出している。若い世帯に留まってほしいと願うなら。早急に実施すべきでは。
(社保協)エアコン設置はいつ終わるのか示してほしい。検討会ぐらいは早く着手してほしい。


5、健診について
(要望内容)
③症例の多いガン検診を強化し、歯周疾患健診は特定健診と同時に受診できるようにし、年1回無料で受けられるようにすること。
(市の回答)
 集団健診と個別健診において、特定健診とがん検診を同時実施しているほか、人間ドックと同様の内容でより総合的に受けられる国保総合健診等を併せて実施しております。 
 がん検診は、国の指針に基づいて科学的な根拠が認められる検診について実施しており、一部のがん検診と特定健診は、同時に受診が可能となっております。今後もがん検診と特定健診が同時受診できる環境整備に努めて参ります。なお、費用につきましては、非課税世帯の方、生活保護世帯の方については申請により無料で受診していただけます。
 また、歯周疾患検診は、国の健康増進事業に基づき40歳、50歳、60歳及び70歳を対象にした節目検診を年1回、無料で実施しております。ご要望の特定健診との同時受診につきましては、執務医師の確保の面など、本市の財政状況を含め困難であると考えております。
―意見交換―
(社保協)平成25年の人口動態を見ると死亡者4541人のうちガンでの死亡が1486人と多い。
(社保協)特定健診と同時にガン検診ができるのはよいが、その辺の啓発事業が必要ではないか。
(社保協):低所得者の人がガンとわかった時のフォローも必要ではないか。
(市)要精検の方にはフォローをしている。肝生検などは感染症対策でもやっている。医療機関と連携して個別対応できるしくみが必要と考える。

by tokusannmi | 2015-02-05 16:40 | お知らせ | Comments(0)