稲村市長が2016年度予算案の施政方針を発表しました

 尼崎市議会が今日2月22日より3月25日までの日程ではじまりました。まず稲村和美市長が2016年度予算案の施政方針を発表しました。

c0282566_2153296.jpg稲村市長の施政方針
ひと咲き まち咲き あまがさき~百花繚乱そして次の100年へ~(平成28年度施政方針)
 第15回市議会定例会の開会にあたり、平成28年度の市政運営に対する所信を申し上げ、議員の皆様並びに市民の皆様のご理解、ご賛同を賜りたいと存じます。
(はじめに)
 平成28年は、尼崎市が誕生してから100年目。これまでの歩みを学び、先人達への感謝とともに、次の100年に向かって新たなスタートを切る記念すべき年です。このような歴史的な節目の年に、市長として市政を担うことに感謝と喜びを感じるとともに、持続可能なまちづくりを進め、この尼崎を将来の世代にしっかり引き継いでいくのだという強い想いと、自らの責任の重さを改めて感じています。100年前の大正5年4月1日、尼崎市は、人口3万2千人で市制を施行し、以来、大正、昭和、平成へと時代が変わる中、様々な歴史を刻みながら発展を続けてきました。 この間、尼崎市の先人達は、激動する時代を乗り越え、現在の尼崎市の礎を築きました。尼崎近代の歩みを振り返りますと、明治には紡績工場の開業で工業都市としての第一歩を踏み出し、大正から昭和にかけて重化学工業都市としての基盤を確立しましたも敗戦で壊滅的な打撃を受けたものの、不屈の精神と高い技術力により復興し、鉄鋼業を中心に我が国の製造業をリードしました。戦後復興期には、ジェーン台風により、大きな高潮被害を受けましたが、多くの市民の皆様、事業者の寄付も得ながら、悲願だった防潮堤の完成をみています。高度経済成長期にかけて、産業基盤が整い、都市化が進む一方で公害問題などが発生し、あわせて工場の流出や人口減少が進みましたが、現在では、国の「環境モデル都市」にも選定され、経済と環境の両立に向け取り組んでいます。さらに、阪神・淡路大震災を経験しましたが、駅周辺や臨海部などの整備も進め、まちの姿は大きく変わってきました。これまでの長い歩みの中で、市民の皆様、事業者、行政が知恵と力を合わせ、多くの経験と財産を継承してきました。 近隣他都市に先駆けて成熟期を迎えている本市は、人口減少や少子・高齢化、整備した公共施設の老朽化など、今、再び多くの課題に直面しています。私は、いたずらに悲観的にならず、かといって希望的観測に逃げることもなく、いつの時代もそれぞれの課題に向き合い、発展を遂げてきた、この尼崎の持つ力を信じ、「課題解決先進都市」として、次の100年に向けた確かな一歩を踏み出したいと思います。
(市制100周年)
 昨年よりプレ記念期間として機運の醸成に努めてきました市制100周年も、年が明け、いよいよ本番の記念期間がスタートしました。わがまちの歴史と文化を改めて学ぶ、この節目の年に、城内地区のまちづくり整備に着手します。尼崎発祥の地である城内地区には、その名のとおり、近世に尼崎城がありました。今なお、旧尼崎警察署や、文化財収蔵庫として活用している旧城内中学校など、歴史的建築物が集積する貴重なエリアとなっています。 ご寄付いただくことになりました尼崎城を本市のシンボルとして、築城400年を見据えた取組を進めるとともに、「都心と歴史文化ゾーンが調和した交流と学びの拠点の創生」を目指し、整備を進めます。具体的には、28年度から32年度までの5カ年で、旧城内中学校の校舎を耐震改修し、文化財収蔵庫と地域研究史料館の機能をあわせ持つ歴史館として整備します。 また、尼崎城吐公園を城内地区の玄関口にふさわしい景観や憩いの空間として整備するとともに、安心して回遊できる遊歩道の整備や観光案内情報板の設置を進めます。さらに、この歴史的エリアにおいて、定期的に歴史文化のイベントを実施するなど、本市の魅力をアピールしていくための取組を市民の皆様と進めていきます。市制100周年のコンセプトは、「みんなが主役」です。まちへの誇りや一体感のさらなる醸成を図る、大きなチャンスだと捉えています。「100周年知れば知るほど"あまがすき▼」をテーマに、様々な市制100周年記念事業を実施していきます。皆様の尼崎を思う気持ちと行動力によって企画された、市民協働による実行委員会主催の市民まつりやハーフマラソン、みんなのサマーセミナーのように多くの方が参加する取組から、グループ活動などの小規模なものまで、数多くの記念事業が、市内各所で、実施される予定です。 10月8日の100周年記念日には、記念式典を開催するほか、市制100周年記念として、新「尼||'奇市史」(たどる調べる尼崎の歴史)を刊行します。100年の歳月が作り上げた、この尼崎市を市民の皆様、尼崎市を訪れる多くの方々にご覧いただき、次代を担う子ども達へ、そして、これからの100年へとつないでいきます。
(尼崎人口ビジョン、尼崎版総合戦略)
 続きまして、「尼崎人口ビジョン・尼崎版総合戦略」です。本市では、26年度に制定された、まち・ひと.しごと創生法に先んじて、25年度からの総合計画に基づき、急速な人口減少と少子・高齢化等の課題を踏まえ、人口の年齢構成バランスを重視し、子育て世代の定住・転入促進に向けた取組を進めています。 そして昨年10月、それらの取組を加速させるため、「尼崎人口ビジョン」と、まち・ひと.しごとの分野に焦点を絞った、総合計画のアクションプランとして「尼崎版総合戦略」を策定しました。総合戦略では、市民の希望出生率を叶えるとともに、ファミリー世帯の転出超過傾向を5年後に半減させることを目指します。また、地域経済の活性化、仕事の安定や、加速度的に増加することが見込まれる高齢者の安全で安心な暮らしの確保などの目標も掲げています。28年度は、この総合戦略を踏まえ、引き続き総合計画に掲げる4つの「ありたいまち」の実現に向け、尼崎の強みと多様な地域資源を活かした施策を展開していきます。
(施策評価と3つの重点施策)
 続きまして、施策評価と3つの重点施策です。総合計画に掲げる4つの「ありたいまち」の実現に向け、施策の進捗状況をしっかりと捉えたうえで、次年度以降の事業構築につなげるため、2度目の施策評価を実施しました。 その結果を踏まえ、特に子育て世代の定住・転入促進に向けた取組を進めるため、「市民自治のまちづくり」、「教育・子育て」、「安全・安心のまちづくり」の3つを柱として位置づけ、予算や職員定数を重点的に配分します。 それでは、3つの重点施策について、順次、ご説明申し上げます。
(市民自治のまちづくり)
 1つ目は、「市民自治のまちづくり」です。 この100年に一度の節目を絶好のチャンスと捉え、市制100周年となる28年度を市民自治のまちづくりをより飛躍させる契機にしたいと考えています。成熟期を迎えた尼崎市では、ハード面の整備だけでなく、未来を担う人材が育つまちづくりが求められています。 選挙権年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げられる中、市民一人ひとりが、決定に参加する主権者であることを自覚し、自分で考え、発言し、将来のまちづくりを担う豊かな人間性を備えた人材となる「人づくり」が大変重要です。また、成熟期におけるまちの発展には、これまで以上に、一人ひとりが、地域を愛し、人々に誇りうるまちに育てようとする市民意識の醸成が不可欠です。市制50周年に制定された「市民憲章」では、市民としての誇りと愛情を持ち、みんなで考え、みんなで行うべき生活のよりどころが定められました。 このような普遍的なものを踏まえつつ、時代の変化に対応し、市民の皆様、事業者、そして市職員が、相互に理解し信頼し合いながら、自らの責任と役割を果たし、ともにまちづくりを推進していかなければなりません。このため、尼崎市における自治の基本理念や基本的な事項を明らかにするとともに、まちづくりに関わる人材の育成を見据え、自治基本条例を市制100周年の節目の年に制定できるよう取組を進めます。市民活動や社会教育といった垣根を越えて、まちの課題解決のための学びと実践を市民の皆様や職員が共有し、ともに学び合い、その成果を身近な人や地域社会に還元していく、そしてそのような活動の輪が広がり、学びと実践のチャンスにあふれるまちを目指し、まち中をキャンパスとした「みんなの尼崎大学」のスタートに向け取り組みます。
(教育・子育て)
 2つ目は、「教育・子育て」です。引き続き「まちづくりは人づくり」として、子育て支援をはじめ、さらなる学力向上に向けた取組とともに、安全で学びやすい環境づくりを進めます。 長年の課題だった学力向上につきましては、これまでの取組により、着実に効果が現れてきています。改善の結果、国の「全国学力・学習状況調査」や本市独自の「尼崎市学力・生活実態調査」において、本市の児童・生徒の学力は概ね全国レベルとなっています。 引き続き、効果が現れている学校の実践例を広く共有するとともに、家庭学習などの習慣の定着と「活用する力」の向上に向けた取組を進めます。また、放課後等における学習指導を充実させるとともに、主体的・協働的に学ぶ学習であるアクティブ・ラーニングを推進します。加えて、学力向上には、教員の指導力が不可欠であるため、児童・生徒が主体的に学習に取り組むための指導方法を研究するなど、教員の指導力向上にも取り組みます。 また、学校が抱える、児童・生徒のいじめや問題行動、不登校等で、困難かつ緊急性が高い事案に対し、専門的視点から支援を行うアドバイザーを派遣し、学校を支援します。3カ年計画の2年目となる学校の空調整備では、小学校6校、中学校7校において整備を行います。 また、順次実施校を拡大してきた中学校弁当事業は、27年度で全校実施となりました。 28年度は、中学校給食の実施に向け、中学校給食検討委員会で調査検討を進めていきます。 このほか、27年に設置しました教育振興基金を活用し、英語力の向上を図るため、中学生の英語検定受験の推奨や英語キャンプなどを実施するとともに、児童・生徒による多彩な音楽活動を支援していきます。 次に、子育て分野では、子ども・子育て支援新制度が本格稼働する中、28年度には、認定こども園が4園、地域型保育事業が7園増えるなど待機児童の解消を目指すとともに、幼児期の学校教育・保育、地域の子ども・子育て支援を総合的に推進します。いじめや不登校のみならず、児童虐待、子どもの貧困などへの対策が求められる中、子どもを主軸におき、教育委員会を含めた庁内連携.、調整をより一層強化し、子どもや青少年に係る施策について、さらに積極的に推進するため、新たに「こども青少年本部」を設置します。あわせて、成長段階に応じて切れ目なく、総合的な支援を目指す「子どもの育ち支援センター」の機能構築に向けた準備を進めます。また、ご寄付いただいた大学施設を活用して、「子どもの育ちを支える機能」、移転予定である教育総合センターの「教員・職員の人材育成機能」、まちづくりに関わる人材の創出やシチズンシップの醸成を図るための「市民の交流・学習機能」を有機的に連携させ、施設全体で「学びと育ちを支援する」拠点にしていきます。
(安全・安心のまちづくり)
 3つ目は、「安全・安心のまちづくり」です。 犯罪のない、災害に備えのあるまちは、市民生活の基盤であり、引き続き取組を強化していきます。25年に打ち出した「ひったくり撲滅宣言」や各種防犯事業の着実な取組により、「市内のひったくり件数」は、平成に入り初めて100件を割ることができました。 より暮らしの安全を高めるため、防犯カメラ設置補助件数を拡充するなど、さらなる安全・安心とまちのイメージ向上を目指します。 尼崎市は、市域全域の高低差が少なく、道路網が整備された、自転車利用に適したまちです。利便性や環境面、健康面等における自転車のメリットを最大限に活かすため、自転車レーンの整備を引き続き進めるほか、交通マナー向上による自転車事故対策、自転車盗難の防止、不法駐輪対策など、総合的な自転車政策を推進していきます。27年から本格的に市内全駅において自転車駐輪場の管理、誘導啓発、撤去、保管返還の一体的委託などに取り組んだ結果、26年に約2千台あった放置自転車が、ほぼ半減しました。放置自転車が、今なお多い阪急武庫之荘駅に、景観に配慮した啓発用具を活用するなど、引き続き自転車が放置されない環境づくりを進めます。防災並びに災害を含む危機管理事象に対して、さらに積極的かつ的確に対応し、市民の安全を向上させるため、危機管理安全局を設置し、組織体制の強化を図ります。近年、頻繁に発生している局地的豪雨や、それに伴う河川の急激な水位上昇に対応するため、降雨観測システムの更新を進めるとともに、武庫川・猪名川等の河川沿いなどに防災行政無線の屋外拡声器を増設します。
(4つの「ありたいまち」ごとの主な取組)
 続きまして、法改正や喫緊の課題に対応する事業を含め、総合計画に掲げる4つの「ありたいまち」ごとの主な取組をご説明します。「人が育ち、互いに支えあうまち」に向けた取組として、市バスの民営化に伴う高齢者バス特別乗車証の阪神・阪急バス路線への利用拡大・市民グループなどによる高齢者等を対象とする交流や介護予防に資する活動への補助・病児病後児保育事業の拡充・子ども・子育て支援新制度の幼児教育、保育に係る生活保護世帯等の実費徴収額の一部補助・旧梅香小学校敷地における尼崎養護学校新校舎及び中央公民館と多目的ホール等の複合施設の整備工事などに取り組みます。「健康、安全・安心を実感できるまち」に向けた取組として、・介護保険制度の改正に伴う、介護予防・日常生活支援総合事業の円滑な実施に向けた準備・障害のある人とない人のコミュニケーションに関する条例の検討・生活習』慣病や認知症発症予防等に向けた取組・喫煙率の低下、疾病発症を防ぐための禁煙の支援・胃がん検診における50歳以上の市民を対象とした内視鏡検査の実施・JR塚口駅西口のエレベーター設置への補助・救急件数増加に対応する救急隊の増隊・保健・福祉に係る総合相談支援体制の構築や乳幼児健診の環境の充実などを図るための(仮称)保健福祉センターの整備などに取り組みます。「地域の資源を活かし、活力が生まれるまち」に向けた取組として、・産業振興基本条例に基づく産業振興と雇用就労施策の推進・レアメタル等希少金属のリサイクルの推進・城内地区における「あまがさき歴史音楽祭」の開催・復元住居の修復や事業のサポートを行う田能遺跡サポーターの養成などに取り組みます。 「次の世代に、よりよい明日をつないでいくまち」に向けた取組として、・人口減少を前提とした立地適正化計画の策定・老朽化が進む武庫支所と地区会館の複合化による建替え・下水道中期ビジョンに基づく浸水対策の推進などに取り組みます。
(行財政運営の推進)
 続きまして、健全な行財政運営の推進についてです。 先月より、住民票等のコンビニ交付、市民課窓口業務の民間委託を開始しました。少子・高齢化、多様化する市民ニーズや、増大する社会保障費などに対応するためには、市役所の仕事の仕方なども不断に見直しを行わなければなりません。27年に策定した、更なるアウトソーシングの導入に向けた基本的方向性に基づき、改めてすべての分野において、業務改善を進めるための業務プロセスの分析を行います。また、契約制度について、適正な履行や質の確保等に関する発注者と受注者の責務を明らかにするとともに、労働条件の切下げを防止し、より良質な市民サービスの提供につなげていくため、公共調達にかかる基本的な考え方を示す条例の制定を進めます。本庁舎について、耐震補強など当面の使用に耐え得る整備を行う一方、将来の建替えに向けた取組の第一歩として、必要な財源を確保するため、新本庁舎建設基金を設置します。また、人事・給与制度については、職員採用試験について、幅広く有為な人材を採用するため、基礎能力や職務、組織適応性等を多角的に評価できる試験制度に変更していきます。さらに、給与制度の総合的見直しを実施する中で、国や民間の給与水準を踏まえた給料表の改定を行います。
(平成28年度予算)
 以上、市政運営に向けての私の基本的な考え方と、28年度当初予算に盛り込んだ内容について、主な施策を中心に申し上げました。この結果、28年度当初予算は、一般会計 2081億円、特別会計 1099憶1,000万円、企業会計809億5,800万円となりました。28年度においても、依然として多額の公債費負担が継続し、社会保障費や公共施設の老朽化などに伴う維持補修費などの増加も見込まれるため、行財政改革計画「あまがさき「未来へつなぐ」プロジェクト」に基づき、引き続き持続可能な行財政基盤の確立を目指します。
(むすびに)
 現在の東難波、西難波町の地に、「難波の梅」伝説があります。香り高い梅の花は、場所を変えると、難波の方向に向いている枝以外には花をつけず、元の地に戻すと、また昔のように多くの香り高い梅の花が咲いたというお話です。尼崎市は、都市部でありながら、四季折々の花が咲き、私達の目を楽しませてくれます。 春には、武庫川の堤防を始め、ソメイヨシノやヤエザクラなどが市内各地で満開になります。桜のあとは、市の木「ハナミズキ」や、復興のシンボル、市の花「キョウチクトウ」、そして市の草花「ベゴニア」が楽しめます。また、春と秋には、大井戸公園など市内随所で、甘い香りを漂わせるバラが見頃となります。市民グループの皆様の取組により支えられた武庫川コスモス園は、名所として定着し、多くの方が満開のコスモスを見に来られます。市制100周年の年、みんなで大輪の花を咲かせましょう。そして次の100年へと、ともに歩みを進めましょう。 百花繚乱、色とりどりの花が、そして人が咲き誇る、魅力あふれるまち、尼崎。 花が咲き、実を結び、種となるように、一人ひとりが役割を持ち、学び・出会い・行動する、自分らしい人生を生きる、そしてその活躍が、まちを支え、次世代を育んでいく、「ひと咲きまち咲きあまがさき」。 私は、子ども、孫、そしてまだ見ぬ未来の世代へ、そんなまちづくまいしんりを引き継いでいくために、これからも市政運営にこ迩進する決意です。このまちに関わる人達が、もっと咲くように、そしてこれからも、このまちがずっと咲き続けるように、皆様とともに、いま、力強く新たな一歩を踏み出し、未来へつなぐまちづくりに、全力で取り組みます。 どうぞ、議員の皆様、市民の皆様、引き続き、ご支援とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。
by tokusannmi | 2016-02-22 21:56 | お知らせ | Comments(0)