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9月議会でマイナンバー制度の問題について一般質問を行い市長の見解を聞きました

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 9月議会が9月8日から始まりました。私は11日にマイナンバーの問題で一般質問を行い、市長の見解を聞きました。
私の発言全文です

第1登壇
 日本共産党議員団の徳田稔です。私は6月議会で社会保障・税番号、いわゆるマイナンバー制度について質問しました。10月から通知カードの送付が始まるのを前にして再度質問を行います。午前に光本議員も個人番号について質問され、重複するところもあると思いますが、私なりの視点から質問を行います。
 マイナンバー制度は、10月から個人番号通知が行われ、来年2016年1月から運用が始まり、2017年1月から、個人番号によって個人情報を照合する情報提供ネットワークシステムの運用が開始されるとなっています。マイナンバーは住民票のあるすべての人に付番される12桁の個人番号です。マイナンバーは、複数の行政機関にある個人の情報が同一人物であることを正確に把握することで、社会保障や税、災害対策などの分野で効率的な情報管理と情報連携を図るとなっています。行政手続を行う際の住民票などの添付資料の削減による国民の利便性の向上、事務処理における行政の効率化、税負担や行政サービスの適正化による公平・公正な社会の実現に期待されているとされています。
 開始当初は年金、医療、介護、福祉、労働保険などの社会保障制度、国税、地方税の税制、災害対策に関する分野での利用に限定していました。
 お手元に配付した資料は、今年5月20日の内閣府戦略総合本部、第9回マイナンバー分科会に提出された「マイナンバー制度利活用のロードマップ(案)」です。
 この様に、政府からは、マイナンバー制度の利活用の推進として、戸籍事務、旅券事務、預貯金の付番、医療・介護、健康情報の管理連携、自動車検査登録、印鑑カードなど行政が発行するカードの一本化などへ利用範囲の拡大、さらに健康保険証や国家公務員身分証明書を一体化する、自治体、独立行政法人、民間企業の職員証の一本化を促す、公的サービスや国家資格など資格証明にかかるカード類の一体化・一元化、各種免許の資格確認機能、キャッシュカード、クレジットカード機能の一本化に向けた民間事業者との検討、公的個人認証サービスの利用拡大など、マイナンバーカードの普及促進が示されています。
 マイナンバーの運用はまだ始まっていないのに、今国会で、さっそく任意ですが銀行口座・ゆうちょ口座のマイナンバー管理、特定健康診査結果、予防接種履歴の情報連携、特定優良賃貸住宅入居の手続き・管理、高校授業料補助など自治体の独自制度にマイナンバーを利用する際に他機関との情報連携を可能にするという利用拡大を行う法案が可決されました。
 そこでお尋ねします、私は8月19日に開催された平成27年度第10回政策推進会議を傍聴しました。その政策推進会議のマイナンバーに関する審議の中で、稲村市長は、マイナンバー制度について、「利便性が高まると、リスクも高まるという相反する性質のものなので、そのバランスをとっていくことになる」と述べられました。市長もマイナンバー制度の運用にあたっては、一定のリスク、危険性があるとお考えでしょうか
 6月議会の私の質問に対し、市長は次のように答弁されました。マイナンバー制度については、個人情報の漏えいや成りすましによる不正利用がなされるのではないか、といった懸念があることは承知しております。このような懸念に対応するため、制度上、様々な措置が講じられています。具体的には、①個人番号が含まれる個人情報、いわゆる特定個人情報は一元管理ではなく、従来どおりそれぞれの実施機関で分散管理する、②特定個人情報の利用範囲や情報連携の範囲は法律及び条例に限定的に規定する、③情報システムヘの適切なアクセス制御や通信の暗号化、④成りすまし防止のための本人確認措置の徹底などがあり、これらにより対応できるものと考えております。なお、特定個人情報の保有に関する実施機関の取組等を事前に公表する特定個人情報保護評価につきましては、本市独自の取組として、国の指針以上に厳格な基準を設定し、積極的に特定個人情報の保護対策に取り組んでいるところでございます。この様に、様々な不安に対する対策は講じているとのことです。
 特定の個人に関する情報を統一された番号で管理する共通番号制を導入している国として、アメリカ、韓国、スウェーデンなどがあります。アメリカや韓国では、共通番号と個人情報が大量に流出し、プライバシー侵害、犯罪利用、なりすまし被害が横行し社会問題になっています。
 アメリカでは官民の分野で広範に社会保険番号が共通番号として使われ、他人の番号を悪用して様々な税額控除・給付金を申請するケースやクレジットカードによる買い物、ネットバンキングでなりすまし犯罪が多発、2006年から2008年に、なりすまし犯罪の被害は1千70万件、16歳以上の全人口の5%にのぼり、被害額は173億ドル、約2兆円になっていると聞いています。国防職員には異なる認識番号を導入したり、州法による利用規制も始まっています。
 韓国では2011年に、大手ポータルサイトとソーシャルネットワークサービスなどが相次いでハッキングを受け、人口をはるかに超える個人情報が流出、2013年には保安会社社員がお金のためにクレジット情報を売却して、1億人分を超える個人情報が流出したことが発覚し、大きな問題となりました。そして、利用規制範囲を限定する法規制が行われ、共通番号の利用を見直す動きが強まっていると報道されました。
 一方、ドイツ、フランス、イギリス,オーストラリアなどは、共通番号制が市民的自由の抑圧、国民のプライバシーを侵害する危険性、不正利用の危険性を高めるとして分野別番号を維持し、共通番号を利用した情報連携を行えるような仕組みをつくらないとしています。
 今年6月11日に開かれた参議院の内閣委員会で日本共産党の山下芳生議員が、マイナンバー制度の問題を質問し、①100%情報漏えいを防ぐ完全なシステムの構築は不可能、②意図的に情報を盗み売る人間がいる、③一度、漏れた情報は流通・売買され取り返しがつかない、④情報は集積されるほど利用価値が高まり攻撃されやすくなるという、4つのリスク、危険性を指摘し、政府も認めています。
 そのようなリスク、危険性があるマイナンバー制度、10月から住民票を持つすべての人に12桁の個人番号、マイナンバーを知らせる紙製の通知カードが市から委託をされた地方公共団体情報システム機構、J-LIS(ジェイリス)から簡易書留により、世帯単位に送られます。日本国籍でも、国外滞在で住民票がない人は付番されず、外国籍でも、中長期滞在者、特別永住者など住民票がある人は付番され送付されます。
 来年1月からは、国民には、税の源泉徴収票や健康保険の被扶養者届などにマイナンバーを記載することが義務付けられます。番号が流出して悪用されれば、プライバシー侵害やなりすましなどの被害が起こりかねません。今後は、赤ちゃんの番号からお年寄りの番号まで通知カードに記載された番号を紛失したり盗まれたりすることがないように保管することが必要となります。
 お尋ねします。10月から送られる通知カードが本人へ届かないで返送される数は、何割、何人と推定されているのでしょうか。返送された通知カードは、そのあとどのような対応をされるのでしょうか。返送された通知カードの対応は現在の担当職員で十分に可能でしょうかお答えください
 以上で第1問を終わります。
第2登壇
 答弁をいただきました。市長もマイナンバー制度については、一定のリスクは避けられないとの認識であると理解しました。
 10月からの通知カードの交付業務にあたる職員を事前にお聞きしました。現在4人で10月から4人を補充して8人であたるとのことです。返送されるとの想定は3000世帯分以上との回答ですが、選挙はがきは通常郵便で送られの2700人分返送言われました、今回は簡易書留で本人に手渡しの郵便です。全国的には発送の5%以上返ってくる想定されていると聞いています。尼崎は22万世帯ですから、それから推計すると1万1千世帯以上が返送されると推計されます。その方の現住所を一人ひとり確認し、手渡す作業は8人でできるのでしょうか、心配であると感じていることを付け加えておきます。
 それでは第2問に入ります。市報あまがさき9月号に、DV・配偶者暴力被害者などで、現住所と住民票の住所が一致していないため通知カードが受け取れない人は、9月25日までに住民票のある市町村に申請をすれば、現住所に送付しますとなっています。申請できる人は、DV被害者や東日本大震災の被災者で住民票の住所地と異なるところに住んでいる。単身世帯で医療機関や施設などに長期入院・入所しているなどの理由により、住民票の住所で通知カードを受け取れない人で、申請は必要書類を持って、住民票のある市町村に行ってください、郵送も可能となっています。
 現住所と住民票の住所が一致してしない人の中で送付先の変更を申請しなかった場合には、DV、児童虐待などの被害者の通知カードが加害者などにわたり、被害拡大の恐れが危惧されています。またDV被害者は住民票のある役所を訪れること自体が危険を伴います。
 お尋ねします。通知カードの送付に際して、DVや児童虐待の被害者などは警察や児童相談所など関係機関などの協力を得ながら丁寧な対応が必要と考えますがいかがですか
 逆に戸籍のない人、ホームレスの人など、何らかの理由で住民票がないために付番されない人があります。また通知カードが本人にわたらないためにマイナンバーがわからない人もあります。
 お尋ねします。住民票がないために付番されない人、また通知カードが本人にわたらないためにマイナンバーがわからない人に対する行政サービスを低下させてはならないと考えますがいかがですかお答えください
 来年2016年1月から、希望者には個人番号と氏名・住所・生年月日・性別を記載し、顔写真と情報集積のためのICチップを内蔵したプラスチック製の個人番号カード、マイナンバーカードが交付されます。マイナンバーカード交付の申し込みは、通知カードといっしょに郵送された申請用紙によって行われます。申請用紙に顔写真を添付して市に送り返すか、申請用紙に記載されたバーコードからメールアドレスを取得して、顔写真のデータを送信する方法もあります。
 市から連絡を受けた人は、市の交付場所、市政情報センター内または塚口さんさんタウン3番館の特設会場に出向き、本人の確認を受け、通知カードと引き換えに、マイナンバーカードを対面で受け取ることになります。ところが、かつて住基カード交付の時に、佐賀県で、他人の氏名、住所、生年月日と自分の写真で申請して、取得した住基カードをもってサラ金からお金を借りた事件も発生したと聞いています。このように、マイナンバーカードの交付時にもなりすまし犯罪が指摘されています。
 お尋ねします。市民は通知カードと引き換えに個人番号カード、マイナンバーカーを対面で受け取ります。運転免許証など写真付き証明書で本人確認を行いますが、この個人番号マイナンバーカードの取得をめぐって、不正取得、偽造・なりすましなどの犯罪に利用される危険性が指摘されています。防止対策をお考えでしょうか
 番号法第9条第2項及び第19条第9号は、個人番号マイナンバーの自治体の独自利用及び他機関との特定個人情報の連携について、条例制定が求められています。マイナンバーを利用できる。事務は番号法別表1に列挙されている社会保障、税、災害対策分野の事務に限定されています。
 ただし、番号法第9条第2項により、番号法別表1に掲げられていない事務であっても、社会保障、税及び防災の分野において条例で規定された事務は、自治体の独自利用事務としてマイナンバーを利用することができるとなっています。また、番号利用事務を処理するにあたって、その事務を所管する部署は、庁内の部署との間で特定個人情報の照会・提供、庁内における情報連携が必要となり、そのための条例を定める必要があります。市はこのための個人番号の利用などに関する方針を定め、公表しています。
 お尋ねします。マイナンバーの利用が拡大すればするほど、リスク、危険性が増します。市の利用範囲の拡大は最小限にとどめるべきと考えますが、市長の見解をお聞かせください
 2016年から、源泉徴収票など税務当局に提出する申告書、届出書、調書にはマイナンバーの記載が義務付けられます。労働者は、雇用主が変われば、そのたびにマイナンバーを事業主に示さなければなりません。非正規雇用やアルバイトで働く人、さまざまな相手から報酬を受け取る自営業者の人などは、多くの企業や個人にみずからのマイナンバーを知らせることになります。
 従業員を雇用する事業者は、税務署に提出する源泉徴収票などの法定調書、社会保険の届け出書などに個人番号・マイナンバーを記載することから、従業員のマイナンバーの管理が求められることになります。マイナンバーは法律によって特別の管理が求められており、そのためコストが生じます。専門家は、「これまでのセキュリティでは不十分」と述べています。よほどコンピューターに精通した人でなければ、自力でこなせず、外部の業者に依頼すれば、さらに負担が増えます。情報セキュリティに精通した技術者は引っ張りだことなっています。
 すべての社員、契約社員、アルバイトだけでなく、その扶養家族に交付されるマイナンバーを集めて、来年1月から給与支払いや社会保険の届け出に反映させるだけでも、企業にとってはたいへんな作業です。とりわけ中小企業の準備は遅れています。中小企業は今の事業経営に手いっぱいで。マイナンバー対策の費用の捻出に困っています。まさに「マイナンバー増税になる」と悲鳴の声があがっています。
 お尋ねします。従業員を雇用する中小企業はマイナンバーを扱わなければならないため、その対策が経営を圧迫していきます。中小企業への支援が必要と考えますが、市長の見解をお聞かせください
 2014年には、通信教育大手ベネッセコーポレーションから、顧客情報が1千万件以上も不正に持ち出され、名簿業者に売却された事件が起きています。
 今年6月に日本年金機構の職員のパソコンが、外部から送られたメールを介してウイルスに感染し、125万件にものぼる個人情報が流出したことが発覚しました。個人情報が流出した不安に付け込んだ詐欺事件も発生してしまいました。
 内閣官房室のホームページにも、「マイナンバー制度に便乗した不正な勧誘及び個人情報の取得にご注意ください。通知前にマイナンバー制度関係で行政機関から手続きを求めることはありません」と、注意が呼びかけられているほどです。
 9月5日付け毎日新聞夕刊に「マイナンバー詐欺急増」との記事が掲載されました。10月から番号が通知されるマイナンバー制度をかたり、預金口座番号など個人情報をききだそうとする不審な電話や訪問があったとの相談が各地に寄せられている。制度スタートに便乗した新たな詐欺の被害が広がる恐れがある。北関東の60歳代女性は行政機関の職員を名乗る人物から「お金を支給するので振り込み先を教えてほしい、マイナンバー制度が始まると手続きが面倒になる」との電話があった。九州北部に住む70代女性の自宅を訪れた女性から「マイナンバー制度に伴い、個人情報を調査している。把握しないといけない」と資産状況を聞かれたなどと報道されています。
 このような被害が想定されている中で、市は来月に市民説明会を計画していますが、多くの市民には、このマイナンバー制度について詳しい内容が知らされていません。
 お尋ねします。今後想定されるマイナンバーによる各種の被害に対応するために、市に専門の相談体制の確立が必要と考えますが、いかかですかお答えください
 6月議会の我が会派の辻議員の「自衛隊募集について、中学校や高校生の個人情報が載った名簿を自衛隊に提供してきたか」との質問に対し、市長は「自衛官募集の対象となる中学校、高校の卒業予定者につきましては、住民基本台帳法第11条第1項に基づき、氏名、生年月日、性別、住所の4情報の閲覧に応じており、従前から高校卒業予定者に加え、平成27年度からは、中学校卒業予定者についても対応しております」と答弁されました。
 そこでお尋ねします。マイナンバーが付番されたあと、自衛隊募集の対象となる中学校、高校の卒業予定者の住民基本台帳の閲覧には、これまでの氏名、生年月日、性別、住所の4情報に加え、個人番号マイナンバーも閲覧の対象となるのかお答えください 以上で第2問を終わります。
第3登壇
 答弁をいただきました。私は6月議会そして9月議会でマイナンバー制度の危険な点、問題点について、様々な角度から質問してきました。
 私は6月議会で、「国民のプライバシー侵害の危険性が高いマイナンバー制度、10月からの番号通知を中止して、制度の再検討と市民的論議」を求めましたが、市長は「地方自治体の判断で番号通知や制度の運用を中止することはできない」と回答されました。
 10月から住民票を持つすべての国民への番号通知がスタートし、来年1月からマイナンバーシステムの稼働が始まります。しかし様々な問題点や不安は完全に取り除かれていません。莫大な費用や手間をかけて、わざわざ国民のプライバシーを重大な危険にさらすマイナンバー制度の導入よりも、現在使っているシステムを活用しながら、業務の効率化、適正化をはかり、市民の利便性を高めるために努力すべきです。マイナンバー制度を中止したとしても市民生活にはなんの支障も生じません。
 「現在、弁護士や市民でつくるグループが、マイナンバー制度はプライバシーを保障した憲法に違反するとして、マイナンバーの使用差し止めなどを求める訴えを起こす準備をしている」と報道されました。この様な事態に際して、改めて、政府にマイナンバー制度の運用の中止を申し出ることを強く求めて、私のすべての質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
by tokusannmi | 2015-09-12 06:48 | 活動日誌 | Comments(0)