6月議会(仮称)尼崎市まちづくり条例に関する一般質問と当局の答弁です

c0282566_19214198.jpg 次に、(仮称)尼崎市自治のまちづくり条例(以下、自治条例と言います)についてお尋ねします。市は、尼崎市をくらしやすいまちにしていくため、自治の基本理念や基本的な事項を明らかにするとともに、市民、市議会及び行政のそれぞれの権利や責務、役割を定め、市民による自治のまちづくりをすすめる自治条例を検討しています。日本共産党議員団は、この自治条例の制定を否定するものではありませんが、制定にあたっていくつかの点について市長の見解をお尋ねします。
 まず総合計画との関連です。これまで総合計画でまちづくりの方向性を示し、行政運営の総合的な指針となる、最上位の行政計画、尼崎市総合計画(ひと咲き、まち咲き、あまがさき)を策定しています。また自治条例もまちづくりの方向性を示すものです。
質問
 お尋ねします。この総合計画と自治条例はどのような関連性を持つものとなるのでしょうか、市長の見解をお聞かせください。
答弁
 総合計画は、市民、事業者、行政が目指す「ありたいまち」の姿と、まちづくりを進めていくうえでの基本的な考え方や各施策分野における取組の方向性を示したもので、計画期間を定め、議決を経た本市の最上位の計画です。その中で、特に「まちづくりの進め方」において、「市民主体の地域づくり」、「ともに進めるまちづくり」、「まちづくりを支える行政のしくみづくり」を掲げるなど、本市のまちづくりにおいて必要な考え方を示しています。こうした総合計画の考え方も踏まえ、「(仮称)尼崎市自治のまちづくり条例」では、まちづくりの理念などを定め、将来にわたり、市民の市政や地域への参画、市民が自治の力を発揮するための環境を創っていこうとするものです。

 今回検討している自治条例では、市民の権利及び責務の中で、市民は、市政のまちづくりに参画するにあたっては、他者への理解の姿勢を持つとともに、自らの発言と行動に責任を持つように努める。また、市民、協働によるまちづくりを行うにあたって、お互いを理解するとともに、自発性及び自主性を尊重するように努めるとして、支え合うまちづくりをうたっています。
 一方、国の社会保障制度改革推進法の基本的な考え方として、自助、共助及び公助が最も適切に組み合わされるよう留意しつつ、国民が自立した生活を営むことができるよう、家族相互及び国民相互の助け合いの仕組みを通じてその実現を支援していくことと、自立、自助が強調されています。
質問
 お尋ねします。国の社会保障制度の基本的な考え方の下で、自治条例が実施されれば、この条例が自助・自立を市民に押しつけるものになっていくのではと懸念しています。市長の見解をお聞かせください
答弁
 一連の社会保障制度改革に関しましては、持続可能な社会保障制度の確立を図ろうとするものであり、そのなかで自助、共助、公助の必要性についても示されているものと認識しております。議員ご指摘の、市民の自助・自立に関してでございますが、本市ではこれまでから、「孤立から自立は生まれるものではなく、市民の自立については社会における支え合いと相互不可分であり、自立しているから支え合える、また支え合えているから自立できるという関係にある」との認識をお示ししてまいりました。今回の「尼崎市自治のまちづくり条例」におきましても、「地域をよりよくしていくのは私たち一人ひとりだという自覚と行動」、「お互いを尊重し支え合うコミュニティ」、「市民の参画と協働」といった自治の力を育み、一人ひとりの力がまちづくりに活きるよう、取り組んでいこうとしているものであり、決して市民に自助・自立を押し付けようとするものではございません。

c0282566_19315848.jpg 次に自治条例です。自治条例の地域コミュニティと自治では、市民は、地域のコミュニティを構成する一員として,お互い様の精神と対話の姿勢を持って、お互いにくらしやすい地域づくりに取り組むように努めるとしています。地域コミュニティの組織として市民活動団体への加入や活動に参加し、それぞれの能力をまちづくりに活かすよう努めるとなっています。
 市民活動団体はそれぞれの要求に基づいて組織されている団体がほとんどです。要求に基づき自主的に運営されている市民活動団体へまちづくりの責務を課すことは、組織の崩壊を招く恐れもあります。
また市民活動団体の主要な団体として地域社協を想定されています。しかし市民の社協への組織率が3割台の地域も残されています。
 市は地域別予算制度の導入を計画されています。市民がひとしくまちづくりの推進を行っていかないと、地域別予算の実効性も保障されません。豊中市など多くの自治体では、地域におけるまちづくりを推進していくための組織として、自主的な自治協議会や自治推進委員会を設けています。
質問
 尋ねします。市民の社協への加入率が低い地域がある中で、市民によるまちづくりの推進がひとしくできるとお考えでしょうか。
 市民がひとしく、まちづくりを進めていくためには、市民活動団体に頼るのではなく、自治協議会、あるいは自治推進委員会など独自の自治制度を検討する必要がないでしょうか。市長の見解をお聞かせください

答弁
 社協への加入率にかかわらず、市内には、数多くの地縁団体やテーマ型団体による地域活動が展開されており、安心安全のまちづくりや身近な地域活動を支える市民運動推進協議会のほか、地区計画にかかるまちづくり協議会、社会福祉連絡協議会で行われている高齢者等見守り安心委員会や地域福祉会議、さらには、学校におけるPTA活動など、個別のテーマによって活動の母体や活動範囲が異なる団体が、地域でまちづくりに取り組んでいるところでございます。このような中で、本市において、今後の地域における自治のまちづくりを進めるに当たっては、こうした団体間のつながりをさらに深め、それぞれの持つ力が地域コミュニティに発揮されるような関係を築いていく必要があると考えております。そうしたことから、地域振興センター機能の再構築を図る中で、6地区ごとに、多様な主体が参画し、つながりを深められるような話し合いや交流などの場づくりや、地域の人材育成の支援、また、情報発信活動の支援など、様々な支援に努めてまいりたいと考えております。

 市民の市政への積極的な参加は、市職員によるわかりやすく丁寧な説明と、市民の声を十分に聞く姿勢が欠かせません。職員の皆さんの能力が問われます。現在、施策の内容などを市民の皆さんに説明する市民説明会、市民の集まりに職員が出向き、市の現状や取り組みについて説明する市政出前講座、市民の多様な意見を公募する市民意見公募手続き・パブリックコメントなどがあります。
質問
 お尋ねします。市民説明会、出前講座など市民へのわかりやく丁寧な説明と市民の声を十分に聞くパブリックコメントを自治条例の中できちんと位置付ける必要があると考えますが市長の見解をお聞かせください
答弁
 「尼崎市自治のまちづくり条例」は、本市を魅力的でくらしやすいまちにしていくため、本市における自治の基本理念をはじめ、各主体の役割などを示し、将来にわたり自治のまちづくりを進めていくための条例としたいと考えております。そのため、議員ご指摘の市民説明会や出前講座などの個々の事業について、具体的に定めることは考えておりません。しかしながら、ご質問のような各事業の取組につきましては、お示しした理念を共有し、行政としての説明責任を果たすことや、参画の機会づくりに努めるなかでは非常に重要なものであると考えておりますので、常に改善に努め、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

 札幌市や熊本市など各地で自治条例のなかに公的オンブズマン制度が設けられています。この制度は、市政に関する苦情を公平かつ中立的な立場で、簡易迅速に処理することにより、市民の権利と利益の保護を図り、市政に対する理解と信頼を高めるものです。具体的には、市政のことで困っている市民の申し立てを受付、苦情を調査し、市政の改善を図ることなどを目的とする制度です。行政の監視などのために任意に活動している民間オンブズマンとは異なります。
質問
 お尋ねします。公的オンブズマン制度等の新たな制度を検討したのでしょうか。お聞かせください
答弁
 他都市において、公的オンブズマン制度等を条例に位置付けている例は承知いたしておりますが、本市におきましては、先ほどもこ答弁申し上げましたとおり、本市における自治の基本理念や各主体の役割などを中心に条例案の策定作業を進めてきたところであり、公的オンブズマン制度などの具体的な方策を定めることについては考えておりません。

 次に、子どもの人権と自治条例との関係です。自治条例では、子どもは18歳未満の市民を言うとして、子どもは、社会の一員として年齢や成長に応じて、市政やまちづくりについての権利と責務を有するとしています。
子どもの権利条約を基に、子どもの人権を定める、尼崎市子どもの育ち支援条例では、子どもの成長過程において、生きる、育つ、守られる、参加する権利といった子どもの人権が尊重されるとともに、多様な人々とのかかわりや様々な経験を重ねることにより、自分を大切にする心、他人を尊重する心、規範意識などがはぐくまれ、社会の一員として様々な責任を果たすことができる大人へと成長することととらえています。
 子どもの権利条約では、子どもは様々な権利を有しているとなっていますが、義務は「他の人に迷惑をかけてはならない」との規定しか見当たりません。
質問
 お尋ねします。自治条例の中での子どもの権利と責務について、市民検討会議での議論の中味と、なぜ子どもの責務をいれたのか、お聞かせください。
答弁
 市民懇話会におきましては、子どもの権利やそれを守るための方法などを中心に議論を行ってきたところでございます。そうしたなかで、子どもについてもひとりの市民として尊重されるとともに、何らかの責務もあるのではないかとの議論があり、子どもの育ち支援条例について参考としたところでございます。同条例第9条第1項におきましては、「子どもは、様々な責任を果たすことができる大人へと成長することができるよう、(中略)その年齢及び成長に応じ、学ぶこと及び主体的に考え行動することに努めなければならない」との規定もあることから、その趣旨も踏まえて、自治のまちづくり条例においても子どもの権利と責務について規定したところでございます。

 この自治条例では、公職選挙法に定める尼崎市議会及び市長の選挙権を有する者は、将来にわたって市に重大な影響を及ぼすと考えられる事項に関し、その総数の6分の1以上の者の連署を持って、市長に対して住民投票の実施を請求することができる。市長は請求があったときには、住民投票を実施しなければならないと、常設型住民等投票を規定しています。
 住民投票には、有権者の50分の1以上の署名を集め市長へ請求し、これにより市長は住民投票を実施する条例案を市議会に提出し、可決されれば住民投票を実施する、条例の制定請求による個別型住民投票と、有権者の一定数以上の署名を集め市長に請求し、市長が条例に基づいて実施する常設型住民投票があります。この常設型住民投票は議会の議決を要しないで、実施できるもので、個別型に比べて時間を要しません。全国的には個別型住民投票制度が多数となっています。
質問
 お尋ねします。今回の自治条例で個別型住民投票ではなく、常設型住民投票としたのは、なぜでしょうか。市民検討会議ではどのような議論がされたのでしょうか。
答弁
 行政運営に当たりましては、公選で選ばれた首長と議会の二元代表制により、それぞれの権能を発揮しながら進めていくことが原則であると考えております。しかしながら、その意思形成過程におきましては、様々な機会を設け、まちづくりの主体である市民の参画を得て、意見を聞きながら方針等に反映していくことが大切であると考えております。中でも市民生活に重大な影響を及ぼす事項につきましては、市民の一定程度の発議をもって、必要な時期に市民が直接意思表示を行える機会を担保しておくことが必要であるとの考えから、常設型の住民投票としているところでございます。また、市民懇話会では、地方自治法における「直接請求」などの既存の制度も含めた住民投票制度の内容について学ぶとともに、意見交換では、「どのようなことに直接意思表示をしたいか」や、「常設型住民投票のメリット・デメリット」、また「制度化するとした場合に必要な要件」について議論を行い、多様な意見をいただいたところでございます。

質問
 お尋ねします。自治条例の住民投票は有権者の6分の1の賛同が必要となっています。6分の1の判断基準はどこにおいているのでしょうか。市長の見解をお聞かせください
答弁
 先ほどもこ答弁申し上げましたとおり、行政運営に当たりましては、公選で選ばれた首長と議会の二元代表制により、それぞれの権能を発揮しながら進めていくことが原則であると考えております。そうしたなかで、参画の手段として住民が直接意思表示を行うに当たっては、相応のハードルを設ける必要があると考えており、市民懇話会の議論においても「制度の濫用を招く可能性」について意見があったところでございます。一方で、法律における事例として、「市町村の合併の特例等に関する法律」では、6分の1以上の連署をもって、協議会設置の是非を問う住民投票を請求した場合には、必ず住民投票を実施しなければならない、といった規定がございます。こうしたことも踏まえ、本市における発議権の設定においては、同法における規定と同様、公職選挙法上の選挙権を持つ者の6分の1以上の署名とすることが妥当であると考えたところでございます。

c0282566_19245318.jpg この自治条例の制定に向けて、市民検討会議やタウンミーティングなどが開催されてきました。自治条例に対する市民の意識の醸成は感じられず、市民的論議が十分にされているとは思いません。
質問
お尋ねします。自治条例を9月議会に提出を予定されています。もっと時間をかけて市民に内容を知らせ、意見を求め、十分な論議の時間を保障すべきと考えますが、市長の見解をお聞かせください。
答弁
 本条例案の策定に当たりましては、平成25年度以降、市民懇話会やタウンミーティング、フォーラムなどを継続して開催し、多くの市民(のべ937名)の参画を得て、今後のまちづくりに必要な市民、行政の基本的な考え方や姿勢などについて、ともに学び、考え、意見交換を重ねてまいりました。こうした取り組みを経て、今後、条例案を上程する段階へと進めてまいりたいと考えているところでございます。今後も市民の皆さんに条例の内容をお知らせしていく努力を続けてまいりますとともに、条例案を策定する過程以上に、制定後の取組が大変重要でありますことから、学校教育や社会教育の場面なども含め、広く周知を図り、条例の趣旨について考える機会をつくっていくとともに、さらなる自治のまちづくりに取り組んでまいりたいと考えております。

  自治条例についてです。市が検討されている自治条例について、様々な点から市長の見解をお聞きしてきましたが、私の腹に落ちる答弁となっていません。多くの市民の皆さんも同じ気持ちの方も多いと思います。市民的に議論をつくすほど、自治条例は市民に定着していきます。自治条例のような市政の基本的な考え方を決める条例は、時間をかけてじっくり議論していくことが必要です。
 市長、この自治条例案を、十分に時間をかけ、市民的な論議を行っていこうではありませんか。
by tokusannmi | 2016-06-16 19:32 | 徳田みのる市議会質問 | Comments(0)