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予算議会が始まり、稲村市長が施政方針で「9年ぶりに推計人口が増加に転じる」と述べる

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2月21日(木)に予算議会が始まりました。まず稲村和美市長が施政方針で「これまでから子育て世代の定住・転入促進を中心に、様々な課題に取り組んできた。環境モデル都市に国から選定されるなど、過去のイメージからの脱却、ひったくりや駅前放置自転車の激減に加え、長年の課題であった本市の子どもたちの学力もほぼ全国平均にまで向上し、昨年7月には「本当に住みやすい街大賞2018in関西」に選ばれた。長らく転出超過傾向が続いていた人口も、28年以来3年連続で転入超過が続くなど、その傾向には変化がみられ、30年には出生数と死亡数を加味した推計人口においても、9年ぶりに増加に転じた」と述べました。
稲村市長の施政方針

(はじめに)
昨年11月、市民の皆様からの信任をいただき、引き続き、市長として尼崎市政を担うこととなりました。3期目となる31年度。尼崎の確かな未来の実現に向け、気持ち新たに、全力を尽くしてまいります。尼崎市ではこれまでから、市民の皆様と力をあわせて、子育て世代の定住・転入促進を中心に、様々な課題に取り組んできました。環境モデル都市に国から選定されるなど、過去のイメージからの脱却、ひったくりや駅前放置自転車の激減に加え、長年の課題であった本市の子どもたちの学力もほぼ全国平均にまで向上し、昨年7月には「本当に住みやすい街大賞2018in関西」に選ばれました。長らく転出超過傾向が続いていた人口も、28年以来3年連続で転入超過が続くなど、その傾向には変化がみられ、30年には出生数と死亡数を加味した推計人口においても、9年ぶりに増加に転じました。長年にわたる取組が実を結びっっあるという手応えを感じています。引き続き、「住みたいまち」、「住み続けたいまち」、そして「住んでよかったまち」尼崎の実現に向けて、「あまがさきで子どもを育てる人」、そして、単に尼崎で暮らすだけでなく「まちのことを想い、活動する人」の増加を目指します。
(施策評価を踏まえた重点化施策)

31年度は、尼崎で子どもを育てたいと感じていただけるよう、ファミリー世帯の定住・転入促進に向けて、「教育」、「子育て」、「住宅」施策を、また、尼崎に住み続けたいと感じていただけるよう、シチズンシップの向上とシビックプライドの醸成に向けて、「観光地域づくり」と「地域力を支える体制づくり」を重点化し、取組を加速させます。

(教育政策)
重点的に取り組む施策の1つ目は、「教育施策」です。長年にわたる取組により、本市の学力は着実に向上しています。しかし、子どもたちを取り巻く課題が複雑かつ多様化しているなか、一人ひとりの力を着実に伸ばし、全国平均の壁を突破していくためには、成果検証を踏まえた取組の改善や、成功事例の全市展開など、さらなる取組が必要です。31年度は、学力向上に確かな成果を上げている学習支援員を全小中学校に展開し、同室複数指導による個別支援を推進するとともに、小学校においては、国語の読みを原因とするつまずきに対する科学的根拠に基づいた指導「多層指導モデルMIM」を、中学校においては民間教育事業者による夏休み勉強会をモデル実施します。また、子どもたちの可能性を伸ばすことを目指し、希望する中学生に観察・実験等を通じた夢のある理数教育を、市立高校では、民間企業と連携し実際の企業の課題等を題材にした課題解決型学習を実施します。加えて、教員が子どもたちと向き合う時間を確保するため、新たにスクール・サポート・スタッフを全小学校及び特別支援学校に配置するとともに、ICTを活用するなど、業務の効率化に加え、よりわかりやすい授業の実施に向けた環境を整備します。こうした取組を推進するとともに、尼崎の教育の質のさらなる向上を目指して、進むべき方向性を明確にし、それを、保護者をはじめ市民の皆様と共有していくため、新たな尼崎市教育振興基本計画を策定します。
(子育て施策)

重点的に取り組む施策の2つ目は、「子育て施策」です。この10Hに、子どもの育ち支援センター「いくしあ」と、ユース交流センター「あまぽ一と」、「アマブラリ」を開設し、「あまがさき・ひと咲きプラザ」がいよいよグランドオープンとなります。「いくしあ」は、児童福祉法に基づき、28年に新たに制度化された「子ども家庭総合支援拠点」として、県が設置する児童相談所と連携、役割分担するなかで、総合的かつ切れ目のない、寄り添い型の支援を実施します。福祉、保健、教育等の分野間の連携、そして地域や民間団体など多様な主体との連携を強化し、身近な子育て相談から、児童虐待、発達障害、不登校や青少年のひきこもりなどの課題に幅広く対応します。なかでも、発達相談支援においては、4歳以上の子どもを対象に、医師・保健師等専門職による相談や診察、支援機関へのつなぎを行う「発達相談支援事業」を実施するなど、取組を強化します。ユース交流センターには指定管理者制度を導入し、「あまぽ一と」では、主に青少年の主体的なチャレンジを、「アマブラリ」では学びを、それぞれユースワークの視点を取り入れながら支援していきます。また、それらの取組については、新たに地域の学びと活動の場となる「生涯学習プラザ」なども活用し、全市に展開していきます。不登校対策においては、その兆しを早期に発見し、未然に防止するための仕組みとして、アンケートによる客観的なデータから、子どもたちがどんなことで悩んでいるかといった学校適応感を測定するツールである「アセス」を全中学校で実施するとともに、小学校においてもモデル的に導入します。また、「はつらっ学級」の愛称で親しまれてきた「適応指導教室」を「教育支援室」へと名称を改め、現在のひと咲きプラザ内に加えて、もう1か所開設するとともに、身近な学習スペースである6地区のサテライト教室についても開設時間の拡大を図ります。あわせて、民間団体との連携促進の場として「不登校支援団体ネットワーク会議」を引き続き開催するほか、不登校の子どもを持つ保護者への支援も実施していきます。次に、喫緊の課題である待機児童対策です。これまでから、保育施設と児童ホームの受入枠の拡大に鋭意取り組んでいるところですが、保育需要の高まりにより待機児童の解消には至っておらず、また、今後予定されている幼児教育・保育の無償化の実施等に伴い、需要はさらに高まっていくことが見込まれます。そこで、31年度も認可保育所や小規模事業所の新設公募などによる受入枠拡大、それを支える保育士確保策としての「保育士奨学金返済支援事業」などに取り組みます。また、ファミリー世帯が住みやすいまちに向けて、財源を調整するなかで、「乳幼児等医療費助成事業」のうち、より医療ニーズの高い就学前の子どもの医療費助成について所得制限を撤廃し、現行制度では助成の対象となっていない世帯の医療費の自己負担額を軽減します。

(住宅施策)

重点的に取り組む施策の3つ目は、「住宅施策」です。20代の若年層が大幅な転入超過であるものの、ファミリー世帯が転出超過である本市においては、ファミリー世帯向けの良好な住環境の形成がその定住・転入促進につながる重要な要素の一つとなることから、住宅施策についても、人口や土地利用の動態を踏まえっつ、エリアを定めるなど、狙いを明確にし、効果的な施策を検討する必要があります。31年度は、32年度を計画年限とする現住宅マスタープランの改定に向け、これまで進めてきた市営住宅の建替や空き家対策などを総括するとともに、ファミリー世帯のニーズに応じた住宅の供給など、定住・転入促進の視点を踏まえながら、住宅施策における本市の課題と狙いを整理していきます。

(観光地域づくり)

重点的に取り組む施策の4つ目は、「観光地域づくり」です。3.29日、多くの皆様の期待や想いがっまった尼崎城がっいに一般公開を迎えます。ここに至るまでにご尽力いただきました関係者の皆様にあらためて深く感謝の意を表します。この尼崎城が、誰もが学び、集える尼崎市のシンボルとなるとともに、これを契機に、さらに多くの方々のシビックプライドが醸成され、さらなるまちの魅力につながっていくよう、取組を進めます。周遊・消費を獲得していくとともに、本市のイメージ向上につながる「情報発信力の高い20歳から40歳代の女性」や、さらなる来街者の拡大にっながる「関西を訪れる個人の訪日外国人」をターゲットに定め、それぞれの特性に応じた戦略を展開します。その効果については、市内の観光客入込客数、尼崎城の入城者数に加え、対象地域の地価や固定資産税額、地域内での新規開業数などの経済的な指標、本市に対するイメージ向上などのまちの魅力に関する指標も設定し、総合的に検証していきます。近年の全国的なインバウンドの増加に加え、2025年の万国博覧会の開催地が大阪に決定するなど、観光地域づくりを進める本市にとって、非常に大きなチャンスが到来しています。この機を捉え、地域の稼ぐ力、そして、まちの魅力と価値の向上に向け、「一般社団法人あまがさき観光局」を舵取り役として、絶えず変わっていく観光客のニーズや地域の観光資源を把握し、マネジメント化を発揮させるなかで、地域の多様な関係者と連携しながら取組を進めます。

(地域力を支える体制づくり)

重点的に取り組む施策の5っ目は、「地域力を支える体制づくり」です。地域の課題が複雑かつ多様化するなか、地域のつながりの希薄化が懸念されています。私たち一人ひとりが、あらためて、身近な地域や社会に関心を持ち、様々な体験や活動から学び、つながり、地域課題の解決や魅力向上にともに取り組んでいける地域づくりを目指していかなければなりません。その推進にあたっては、「尼崎版観光地域づくり戦略」に基づき、まずは「関西在住の日帰り観光客」と「市内ホテル等の外国人宿泊者」の本市では、市制100周年記念目である2810A8日、尼崎市自治のまちづくり条例の施行により、自治のまちづくりに向けた新たな一歩を踏み出しました。31年度は、この条例のさらなる推進に向けた様々な取組を本格化し、特に「地域とともにある職員の配置」、ならびに「市民の学びと活動の支援」に取り組みます。まず、職員が、地域においてしっかりと顔の見える関係を築き、地域の皆様とともに、学び、考え、行動していけるよう、概ね小学校区を担当エリアとする「地域担当職員」を地域振興センターに配置します。あわせて、地域担当職員をはじめとした職員の能力向上にも取り組んでいきます。また、地区会館と公民館については、市民の生涯にわたる学習を推進し、学びと活動を支える拠点「生涯学習プラザ」として、新たに運営を始めます。これらの取組により、これまで実施されてきた活動はもとより、地域発意による課題解決や魅力向上に向けた活動を支援していきます。そうした活動のアイデアや、ともに取り組む関係が生まれるような学び、交流の場づくりなどに「地域予算」を活用していきます。

(自治のまちづくりの推進に向けた組織体制)
31年度は、自治のまちづくりの推進に向け、「総合政策局」を新たに設置するなど、市の組織体制についても機能強化を図ります。総合政策局には、市政の総合企画及び総合調整機能、まちづくりに関する情報や取組を効果的に発信する広報機能を集約した政策部、協働及び「生涯、学習!」の推進に関する事項を集約した協働部を新設し、あわせて、地域のカウシターパートとなり、防災や子育て、福祉など、地域課題の解決や魅力向上に向けた取組を総合的に支援する地域振興センターについても、その体制を強化し、総合政策局に設置します。これにより、本市のまちづくりを総合的かっ戦略的に推し進め、市民の皆様との協働により様々な分野にわたる地域課題の解決を図るとともに、「市民力」と「職員力」を相互に高め、互いの強みを活かしていけるパートナーシップと地域環境を築き、自治のまちづくりをさらに推進していきます。

(「ありたいまち」の実現に向けたその他の主な取組)

以上が31年度に重点的に取り組む施策です。これらに加えて、今日的な課題に対応していくために、様々な取組を推進します。昨年9月に本市にも多大な被害と停電をもたらした台風第21号における経験を教訓とし、災害発生時に発信する情報の内容やそのタイミングなどについて検討を進めています。このほか、障害者の高齢化・重度化に対応したグループホームの整備補助、失語症者向けの意思疎通支援者の養成、警察等との連携による特殊詐欺被害の未然防止、国の「農業次世代人材投資資金」を活用した新規就農者への支援、密集市街地における老朽住宅の除却費用の助成などに取り組み、あらゆる施策から「ありたいまち」の実現を目指します。防災力向上に向けてはVアラート端末や応急給水拠点の整備などとあわせ、先ほど申し上げました地域力を支える体制づくりを進めるなかで、地域のご意見もお聞きしながら、地域の強みや特性にあわせた災害時の共助の仕組みづくりを進めます。また、安心して年齢を重ねられるまちを目指し、これまでの介護予防に係る取組の検証を踏まえ、男性向けの介護予防の取組や、加齢により低下していく心身の活力の維持向上を目指した住民主体のフレイルチェックの実施など、地域ぐる介護予防の取組を進めます。

(平成31年度当初予算)

以上、平成31年度の市政運営に向けての基本的な考え方と、当初予算に盛り込んだ主な内容にっいて申し上げました。この結果、平成31年度当初予算は、一般会計2,050億円、特別会計1,0094,300万円、企業会計7473,100万円となっています。31年度においても、公共用地先行取得事業費会計繰出金を除いて収支均衡を確保するなど、財政規律を遵守した予算を編成することができました。しかし、今後も社会保障関係費や公債費が高い水準で推移するなか、さらなる収支の改善が必要です。持続可能な行財政基盤の確立と市民サービスの維持向上を目指す、ファシリティマネジメントについて、引き続き、公共施設の圧縮と再編の取組を丁寧かつ着実に進めるとともに、予防保全についても、先般とりまとめました「第1次保全計画」に基づき、財政負担の平準化を図りながら、計画的に取組を進めます。本市の財政運営における大きな課題となっているのが、市債残高をはじめとした将来負担額の縮減です。将来負担額の多さは、本市の収支が公債費等の負債処理に圧迫され、他市と比べて政策的経費に十分に一般財源を充当できないことにつながっています。そのため、30年度に引き続き、過去に財源対策のために発行した市債について、借換えのタイミングを捉え、減債基金を取り崩し、31年度は30億円の早期償還を進めます。この早期償還の取組により、31年度時点においても、一定の投資事業を計上しつつ、「あまがさき『未来へつなぐ』プロジェクト」に掲げる財政目標どおり、34年度末の目標管理対象将来負担を1,100億円以下に抑えています。引き続き、財政再建の取組が途上であることを認識し、子育て施策、教育施策の充実、中学校給食の実施に向けた取組など、確かな未来に向けた施策を着実に進めるために、負担を先送りしない財政運営に意を用いてまいります。

(むすびに)

本年、4月をもって「平成」という時代が終わりを告げます。振り返ると、この「平成」という時代は、私たちに変化を求める時代だったと感じています。わが国は、戦後の高度経済成長の時代を経て順調に発展を続けてきましたが、平成に入って、バブル経済が崩壊し、低成長の時代を迎えました。そして、少子化・高齢化が進むなか、人口減少社会が到来。尼崎のまちも、産業構造の変化による空洞化や阪神・淡路大震災、財政危機など数々の課題に直面しました。どうぞ、議員の皆様、市民の皆様、引き続き、ご支援とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。しかし、「課題先進都市」から「課題解決先進都市」へと申し上げてきたとおり、私たちは常に課題と向き合い、そのなかから学んできました。環境を改善し、長年にわたる行財政改革にも取り組み、変化に対応するべく、まちづくりを進めてきました。私たちの挑戦は、これからも続きます。新しい時代。これまで以上に広い視野を持ち、そして、今日までの取組を自信とプライドに変え、ともに確かな未来へと進みましょう。「ひと咲きまち咲きあまがさき」を掲げ、市民の皆様とともに蒔いた種、育ててきた芽が、花開きつつある今、私も、さらに力強く市政を推進し、総合計画に掲げる「ありたいまち」に向けて、引き続き全力を尽くしてまいります。


















































by tokusannmi | 2019-02-21 22:13 | 活動日誌 | Comments(0)